なんだ、ただの水たまりじゃないか(2018/1/5)
今、「魔女の宅急便」がテレビで流れている。
ジブリの中でも子供の頃に始めてみた時の記憶がよく残っている作品だ。
とにかくずっとずーっとヒヤヒヤハラハラしていた。
飛び立ったら雨は降るし、降り立った街は人々が冷たいし、ジジは意外と頼りないし、働き始めたら飛べなくなるし。
シャレた世界観に引き込まれながらも、「次はどんな嫌なことがあるんだろう」「この人はいい人?悪い人?」ってずっと心配していた。
とはいっても、久しぶりに見る。
今日は風邪を完全にぶっ倒してやるつもりでさっさと眠ろうと思ってたのだけど、あらら始まってしまったらもうだめだ。
両親が里親をしている関係で、わたしが小さな頃から家には他人の子供がしょっちゅう入れ替わり我が家にいた。
3歳くらいから9歳くらいまではジブリかディズニーのビデオを流しておけばたいがい静になるものだから、日中は連続上映となる。
そんなわけだからわたしまでさんざんこれらのストーリーを何度も追いかけることになるのだ。
実家を出てから久しぶりにキキちゃんの大冒険を目の当たりにする。
沁みるなぁ~~~~。
特にオソノさんが出てくるたびに泣いてしまう。
キキちゃんが魔法を失ったときには胸を削られるようで。
13歳のキキに34歳のわたしを重ねると言うのは一体何なのだろうか。
きっとこれは子供の頃には感じ得なかった感覚だけど、子供の頃に出会えておいてよかったなと思う。良い時代に生まれたもんだな。
昨夜、思いがけず父と長電話をしてしまった。
日程の確認の電話だったのだけど、わたしの風邪の調子はどうかと聞いてくるから、とうとうと話し始めたら長くなってしまった。
最初はここが痛くて、そのあとこうなって、病院行ってこうなってこういう薬をもらって、とまるでこどもみたいに。
お医者さんに旨く伝えられなかったことを取り返そうとしたのか、何なのかはわからないけどやたらと話し出してしまった。
父は珍しく、「うんうん」と話を聞き続けてくれた。
そのことに気がついてちょっと恥ずかしくなり、そしてちょっと泣けてしまった。
わたしはいつまで物語の主人公で居続ける気でいるのだろう。
恥ずかしくて情けなくて隠れてしまいたい。
ジジだったらなんて言ってくれるのだろう。
「そんなにみんな君のこと、見てないと思うよ」かな。